
会期:2025年10月28日(火)~12月21日(日)
(前期 10月28日(火)~11月24日(月) 後期 11月26日(水)~12月21日(日))
場所:国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
千葉県佐倉市城内町117
料金:一般 ¥1,000、大学生 ¥500

Xで告知を見てから、ずっと楽しみにしていた企画展へ行ってきました!
結論から言うと、想像以上に展示されている着物の数が多く、しかもその1つ1つがため息が漏れるような逸品揃いときていたので、着物好きにとどまらず、芸術や歴史が好きな方も満足する内容だったと思います。
資料は後から図録を確認するとして、とにかく時間が押していたので(※後述)、着物中心に鑑賞…というか、個人的な感覚としては観察。
写真NGの着物もありましたが、ほとんどOKだったのでたくさん撮りました。

特に印象に残った着物たち
童遊戯模様下着
今回私が一番「好きっ💕」となったのは、こちらです。

個人的に、絵でも屏風でも誰かの日記(例:石城日記)でも、一般人がたくさん描かれるものが好きです。
なぜなら、謎の動きや表情をしている人を探すのが面白いから。

多くの色彩が用いられており、1人1人の着物を見るだけでもそれぞれ全然違うものを着ていて、大変手が込んでいるのが分かるのに、なんとこれ小袖じゃないんです…
今回の展示で初めてその存在を知ったのですが、着物(長着)と長襦袢の間に着る「下着」なのですって!
こんっなに、子供たちが生き生きと楽しそうで、色合いも美しく、見ていて飽きないのに中間に着るものなんて、心底驚きました。
見えない部分のおしゃれ、にしてはおしゃれ&贅沢にも程があります。
楓桜枝束模様帷子

黒の麻で、こんな良い状態で、しかもこんな贅を尽くしているなんて…としばし見とれた逸品。

流水萩模様小袖
こちらは、拡大するとすごいです。

私はフキ(裾の、綿が入ってふっくらしている部分)にまでたっぷりと刺繍がはいっている着物を初めて見ました👀!

絞りの流水。

この着物だけでなく、全てが「その人のための」「天井知らずの贅沢」という感じでした。
携わった職人さんたちは、さぞかし腕を振るったことでしょう。
ああでもない、こうでもないと希望を伝え注文をしたお姫様やお嬢様方は、きっとワクワクしながら、仕立てあがってくるのを楽しみにしていたことでしょう。
今は、例えば「秋冬のチェックのスカート欲しいなー」などと思ったらその日のうちにパッと買えてしまいますし、何ならデパートやモールなどを回らずとも、ネットで楽に手に入りますが、もう根本的に何もかもが違うのだなと思いました。

薬玉御簾秋草模様振袖
こういった着物は、先日訪れた大奥展でも見た記憶が。

この、若草色というか鶸萌黄というか、若い女性によく似合う緑に、オレンジの組み合わせはテッパンなのでしょう。

キャプションには「武家の女性(の着物)」と書かれていましたが、これを日常使いできるとなると、もちろんお姫様クラスでしょう。
こちらの真ん中の梅の柄は…

梅樹下草模様小袖
鳥取藩池田家所有だったと伝わる、重要文化財。
酒井抱一が手掛けた着物で現存している、唯一のものだそうです。

他の展示も素晴らしく、時間はいくらあっても足りません。


小袖屏風の数々



衣桁にふわりとかかった、数々の着物…「これは誰の袖なの?」(=こんな素敵な着物の持ち主はきっと美人に違いない)という、想像や妄想を掻き立てる「誰が袖図」。
絵や屏風は今まで見たことがありましたが、今回の様な「着物の部分が本物の小袖」という作品は初めてでした。
そもそも野村正治郎さんが、既に小袖の形を保てない・仕立て直し不可能な裂をこのような形にして美術品に生まれ変わらせたのが小袖屏風なのです。

なので当然、刺繍や染めや絞り、時を経た布の濃淡もあり、立体感がありました。
すごいアイディアだなと思います。
「野村正治郎の後継者―賤男の活動」
正治郎の娘婿・賤男も、小袖裂貼屏風風を制作しました。

誰が袖屏風ではなく、本当に裂を貼っただけのもの(と書くと語弊がありますが…)。

1つ1つがとても素敵で、ほんの少しの裂でも愛おしむ気持ちが伝わる気がしました。
ちなみに、 新発見資料だそうです!
今回気になったこと
大奥展でも、今回の着物の数々でも思ったのですが、そう言えばタンポポやニワトリのヒナのような明るい黄色や、(現代)女子が大好きなピンクが地の着物って、1着もなかった気がする。
当時の染色の問題か、はたまた好みの問題なのでしょうか?
今回思ったこと
私は野村正治郎さんを今回の展示で初めて知りました。
野村正治郎さんは、京都の美術商だった…とのことですが、若い頃アメリカへ留学しているくらいですから、実家が大層裕福だったのは間違いない。
そうなると『守貞漫稿』を書いた喜多川盛貞にしろ、『らんまん』モデルの牧野富太郎にしろ、伊能忠敬にしろ、興味を突き詰めることが出来る潤沢な資金、自分の研究をし続けられるひたむきな情熱と、豪商って偉大な人物を出す環境なのでは?という考えがますます強まります。
そもそも、財力面でも、審美眼面でも、教養面でも、これらレベルの着物を発注出来る人が今の日本にいるかというと相当怪しく、さらにそれにこたえる事の出来る職人さんももはやいない(失われた技がたくさんある)ことを思うと、誤解を恐れずに言うと「格差をなくして均一に」っていうのが果たして100%善い事なんだろうか、とも思ってしまうのでした。
企画展のお土産

色々ありました!
クッキーめっちゃ可愛い💕とテンションが上がりましたが、食べてしまうのがもったいないなと思い…

ポストカードで悩み過ぎたら時間がなくなったので

今回は図録と、「REKIHAKU 特集・ファッション×博物館」という歴博オリジナル本のみにしました!

図録は2000円だったかな❓
今回の展示のみならず、小袖の構造や仕立て、仕立て替えについても詳しく言及されています!
特に、ちょうど1週間前に訪れた共立女子博物館で『近代女性の装い 着物の種類とその使い分け』を受講したばかりだったので
インプット(上記の講座)➡アウトプット(ブログ)➡インプット(今回の展示・図録)
と、学びが繋がった気がしてワクワクしました✨
時間が足りなかった
歴史民俗博物館は、とにかく広い!
そして、全てが気になる!!
それなのに、滞在時間は1時間30分しかないという無謀さ。
理由は、まず第一に、
「せっかく千葉に行くのだから、佐原で鰻を食べよう」
「👦🏻(息子)、無事英検受かったしね!(👈完全なこじつけ・笑)」
と最初の目的地を佐原の名店・うなぎ割烹 山田に設定したからです。
ここは名店なのでそれなりに並び、そして鰻は出てくるまで時間がかかる食べ物なのでした。
更に、第二の理由として、佐原に来てその街並みをスルー出来る我らではない。
(つまり散策した)
極めつけは、何度訪れても佐原↔佐倉の位置関係を忘れるという我々家族のアホさ加減でしょう…

次こそは、たっぷり時間を取ってまわりたいものです。
(確か前回もそう思った気がする)