ORICOLOG

銘仙が好き過ぎて、秩父銘仙後継者育成講座生になりました!

〚講座振り返り〛9月某日:ベタベタの憂鬱

黙々と織り作業

糸が切れたら「機結び(はたむすび)」で結んで筬に通し、マチ針で固定する。
ミミ(反物の端)がガタガタになったら、新聞紙を挟む。
絡まった経糸(たていと)は、指で優しくなでながら絡まりを後に後に移動させる。
そうやって何とか織り続けていたのだが…

憂鬱の始まり

経糸に、ベタベタと粘着質の、薄茶色の汚れがついているのを発見してしまった。

一瞬、輪ゴムが溶けて付着したのかと勘違いする様な、色とねばつき。

しかも、複数ある。

これは一体、何?
そして、どうしてこうなった??
皆、一瞬天井を見るが、真相は分からない。
 
先生や先輩は
「油汚れじゃないかな」
「とりあえず、シンナーで拭いてみたら」
「雑巾小さく切ってきてあげる」
と原因不明ながらも助言して下さる。
 
シンナー、×。
 
お湯+台所用洗剤+小さなブラシ(流しにあった)のコンボで少し薄くなったか?という感じだが、依然として汚れもねばつきも残った状態。
洗剤でごしごし擦ると色落ちや毛羽立ちが心配な上、この状態ですすぎをしっかり行うことなど不可能。
(何度か叩くしかない)
 
なんかもうすっかり絶望し、とりあえず筬(おさ)に通せば糸同士のくっつきはなくなる…ということで織り進めることにした。
動揺していたのもあるし、このべたべた汚れは複数あるから、ただでさえ遅れている私がここで時間を割くのはどうなのかなと思ったから。
 
汚れは、ごまかしがきかないという事が分かってしまった。
しっかりと織り込んでしまい、シミになっている。
(動揺しすぎて、写真撮れず…)
 
自分の腕が悪くて、上手にいかず、上手く織れないのは仕方がないと思う。
だって向上のために頑張っている最中なのだから。
落ち込んだり焦ったりしつつも、頑張っている最中なのだから。
 
でも、このいつの間にかついた汚れ(しかも超汚い)が取れず、織り込んでしまった事は、精神上良くなかった。
何だか急に、とても悲しくなってきてしまった。
 
何度も書いているが、綿の糸は練習なのだ。
綿のうちに綺麗に織れるように、トラブルに慣れ、(なるべく起こさないように)今頑張っている。
 
でも、こんな、いつ・どこで・何が原因でついたか誰にも分からない粘着質の汚れが付くなんて、絹糸では絶対に受け入れられない。
綿ですら取れない汚れは、絹糸なんて更に難しいだろう。
それに、前の週に見学した、捺染前の美しく白く輝く絹の経糸。
ここには一点の染みも汚れもあってはならないと思う。
これは綿を軽視しているとかそういう事ではなく、もう理屈では言い表せない気持ちだ。
 
富岡製糸場や桐生織物会館旧館の敷地内で蚕を祀った御社を見た時、横浜のシルク博物館で様々なシルク商品に蚕がどれくらい使われて出来上がったものかという展示を見た時、ただ”もったいない、無駄にしたくない”という気持ち以上のものが駆け巡った。
それは私の中にずっと残っている。
多分、日本人のDNAなのかもしれない。
 
取り除くことが出来ないべたついた汚い汚れは、原因不明で解決していない。
考えないようにしても、まるでこの汚れのと同じように取り切れない不安となって、くすぶり続けている。
 
暗くなってしまったが、この日は良いこともあった。

秩父クラフトフェア

この日は西武秩父駅の駅前&市役所でクラフトフェアをやっていた。

同期が出店していたお店で、布のぺたんこバッグを購入。

めっちゃ可愛い❤
多分メインのバッグじゃなくて、サブバッグとかレッスンバッグとかそういった感じなんだろうけど、可愛すぎてメインバッグとして連日使っている。
色違いも可愛かった💕

こんな感じのおしゃれなお店だった。
こちらは市役所の様子。

電車のお供(本📖)

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