ORICOLOG

銘仙が好き過ぎて、秩父銘仙後継者育成講座生になりました!

特別展「江戸☆大奥」@東京国立博物館 ➡ 過門香 ➡ 彰義隊の皆さんへのお参り

行くからには絶対着物で行きたい、せっかくだから御所解の小紋で行きたい…
でも暑すぎて無理…とグズグズしているうちに、とうとう会期終了1週間前となってしまいました。
上野駅から歩くのしんどい、でもタクシーで行く距離でもない。
諦めて、混雑を覚悟し、洋服で向かいました。無念なり。
 
着いた途端これよ。

20分待ち、やはり会期終了直前の土日祝は混む…

この日は世界陸上のマラソンで棄権者が出た程の湿度の高さ(80%)だったそう。

待ってる間、汗が止まらなくてボウッとなってしまった。

着物や浴衣姿の方たちは猛者だなと思った。いつか私も猛者になりたい。

 

打って変わって中は天国の様でした。

混雑はしていたものの、かろうじてぽつぽつと開いていたロッカーに荷物をねじ込む。

ここでせっかく持ってきた単眼鏡をバッグから取り出し忘れてしまうのが、私。

無念なり。

エスカレーターで展示室へ向かう時、いつもドキドキする
まず、最初に目に飛び込んできたのは…

よしながふみの「大奥」と、とても気になる「猫奥」なる漫画の特大パネル。
「大奥」の方は履修済みです。

鬼滅に囲まれていますが…大奥、大好きな漫画です

こちらも読んで、予習はばっちりと言えましょう。

江戸奥女中物語 (講談社現代新書 1565)

そして、多分よしながふみの"大奥”と、それを原作としたNHKの”ドラマ10 大奥”を知らない人にとっては恐らく「なんのこっちゃ」となりそうな、衣装の展示数々。
見た人は大興奮間違いなし。
私は大興奮組!!

滝山役、古川雄大さんお召しの流水紋の裃

家紋は桐でしょうか。

13代将軍家定公役、愛希れいかさんお召しの打掛

色がどうしても綺麗に出ませんでしたが、深みのある青に刺繍が美しい。

天璋院役、福士蒼汰さんお召しの裃

今回の展示では背面が確認できませんでしたが、こちらも流水紋が美しいのです。
こちらです
↓ ↓ ↓ ↓

出典:NHKドラマ「大奥」シーズン2 #18

何より驚いたのは、地紋もすごかったこと。

結構クッキリ分かるので、陰影の美しさたるや…!

8代将軍吉宗公役、冨永愛さんお召しの打掛

質素倹約のこだわりが、衣装からも伝わってきます。
刺繍もほんのちょっぴりですし、なによりデニムっぽい藍色の引着は綿です。
総重量15kgと、ずっしり重いとのことでしたが、見た目で分かる感じでした。

5代将軍綱吉公役、仲里依紗さんお召しの打掛

フキもたっぷり、1人だけ派手めな金襴西陣織の婚礼衣装のような華やかさです。
お隣の吉宗公との差が激し過ぎる…

3代将軍家光公役、堀田真由さんお召しの打掛

帯が細く、かなり下に締めています。
長着が足首までで引きずるほどではなく、袖も短い。
華やかですが、まだ、戦国時代の名残が感じられます。

ドラマで使われたセットも。
写真を撮って良いのはここまで。

第1章 あこがれの大奥

大奥関連の浮世絵がわんさか。
大奥は、お勤めの前に誓詞(契約書)を提出しなければならず、その中に
一、奥方之儀、何事によらず外様(そとさま)へもらし申すまじき事
というのがありました。
なので、この大量の浮世絵は絵師の「想像上の大奥」。
しかも、江戸時代は出版統制があったから、明治になってからのものです。
どれもこれも美しく、かなり気合が入ったものばかりで、人気が高かったことが伺えます。
図録によると、明治20年頃からは江戸を振り返る風潮が高まってきたらしく、「もう話しても…良いよね?!」という感じでポツポツ語られ記録が残され始めたようで、一般人の憧れや知りたい欲が爆発したのかもしれません。

第2章 大奥の誕生と構造

さぁ、ここからが本番といった感じです。
大奥を作った人、春日局の像や絵や和歌から始まり、千姫の掛絡(から)や復元衣装、間取り図、江島や滝山の持ち物など。
千姫の掛絡は本多忠時と再婚した際の衣裳を仕立て直したものだそうですが、そう考えると409年前の服ってことです。
さすがにくすんでいましたが、状態良く残っていてビックリです。
さらに驚いたというか、しげしげと眺めたのはこちらの
↓ ↓ ↓ ↓

出典:Wikipedia 千姫姿絵(弘経寺蔵)

マヌルネコみたいな猫をペットにしている千姫の衣裳を復元したもの!

これが素晴らしかった!

当時の絞り染め技法などを再現したというこだわりで、しかもマネキンに着せているので、現代に蘇った感がすごかったです。

滝山所用の女乗物もバーンと展示されていたのですが、その小ささと共に、かなり質素な外観に驚きました。

女乗物と言えば、蒔絵がほどこされた、黒くつやつやの豪華な籠…しかし豪華バージョンは姫クラス以上なのだなと分かります。

 

滝山コーナーでは、脳内を大河ドラマ「篤姫」のOP曲がぐるぐるしていました。

稲森いずみさん演じる、冷静沈着な滝山が美しく、印象深い…というか、私の中での滝山のイメージがガッチリ固定されています。

第3章 ゆかりの品は語る

護国寺で開催される骨董市にたまーに行く度に思い出す、桂昌院の振袖、綱吉公の長裃の展示が興味深かったです。

「徳川将軍家十五代のカルテ」篠田達明 著 によると、綱吉公はまこと低身長で、130㎝に満たなかった…とありました。

目の前の長裃を見ると、確かにものすごく華奢で小さい感じはするが、さすがに130㎝は「?」とも思いました。

ただ、何が真実かは分かりません…

 

肉厚な刺繍がたっぷりの大きな袱紗や、純金の硯箱・沈箱も見ごたえがありました。
現時点で金1g=2万円弱ということを鑑みても、特に純金の硯箱・沈箱に大勢の人が群がっていた様が納得できました。
でもやっぱり私は、着物に惹かれるの~
溶姫の絽の着物は、実物が美しい紫だっただけに、図録を見てあまりの色の違いにびっくり。
鷹司任子(家定公の最初の妻)の、白地にたっぷりの刺繍が所せましとほどこされているお掻取の美しさに心奪われる。
しかし、これを引きずっていたことを考えると、いかに当時の宮様や姫君たちが小柄だったかがよく分かります。
調度品から、和宮と天璋院の趣味趣向の違いというか、お2人は全く似てなかったんだなぁというのも興味深かったです。

第4章 大奥のくらし

一番テンションが爆上がりしました。
なぜなら着物が多かったからです。
ずらり並ぶ着物、そしてマネキンに着付けてある着姿の美しさといったら、もうため息しか出ません。
特に、家茂公の産衣(の控え)とされる、美しい青に宝尽くしの刺繍がたっぷりの着物が素晴らしかったです。
(これも、図録ではなぜか色が全然違っていて、実物を見る大事さを嚙み締めました)
その中で、ため息ではなくハテナ(・・?が駆け巡ったのが「腰巻」という夏の正装とされる姿でした。
とても貴重な展示という事は頭で分かりつつも、これで廊下を歩いたら、さぞかし邪魔なことだろう…と思いながら眺めました。
 
さて、ずらりと並ぶ着物だけではなく、お持ち物もため息ものでした。
天璋院の薩摩切子の雛道具!
同じく天璋院の蒔絵の雛道具!!
和宮のミニチュアコレクション!!!なぜかタツノオトシゴ!!!!
家茂公のギヤマン!!!!!
この、ギュンッと心を掴まれるような、美しさと可愛さの限界を超えた感じは、実物を見たからこそ分かるものかなと思いました。
 
ここからは写真OKの歌舞伎コーナーです。

すんごい肉厚。

すんごい海老。

龍、目玉はガラスなのかな?

筥迫。

私が知る筥迫より厚みがありまくり、大きさは2倍…はないかもしれないが、かなり大きかったです。
これを胸元に入れていたら、かなりグズグズになってしまうのでは…?
と思ったのですが、何かに「筥迫が日常使いだった時は、そのような(着物の)仕立てだった」と書いてあったような。
(見つけたら追記予定)

ド派手かつ、遠目からでもはっきりと分かる柄ばかりで、大奥の女性たちを様々な面から出来る限り楽しませようという、演者の心意気を感じました。
「あの龍すごかったわよね!」
と、いつまでも語り草になった気がします。
単に、ド派手さで意表を突くというだけではなく、(出歩かない人たちはどうだったかはさておき)江戸時代は眼病が非常に多かったから、そういった人たちが遠めに見ても分かるように、という配慮もあったかもしれません。

ランチ

ランチオーダー終了ぎりぎりに何とか間に合って、過門香へ。

上野に来た時は、迷わずここにしています。
過門香のいいところ「店内が広い(=並ばない)・美味しい・駅から近い」なのですが、今回は初めて外で少し待ちました。

ランチ後は、上野に来たら必ずお参りするこちらへ。

彰義隊戦死者碑

尽忠報國

この日は、ぺットボトルがたくさんお供えしてありました。

タイミングかと思いますが、私は今までお参りしている人を見かけた事がありません。

それでも、お花が絶えず、こうやってお供えもあって、少なくない人が彰義隊の皆さんのことを忘れない気持ちであることが分かります。

大奥展で買ったもの

  • 図録:すっっっっごく豪華
  • カステラ:結構大きい!
  • レターブック:便箋として使う予定
  • ハンカチ:和宮の浅葱縮緬地松竹梅菊網干模様小袖の柄!!!

おまけ

カステラには、葵の御紋がっ!

(葵の御紋はホワイトチョコ)

畏れ多かったけど、超美味しかったです。

 

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【銘仙の図柄に悩む】①  情報過多でぐ~るぐる

タイムリミットが迫っている。
何の?って、タイトルの通り「図案」だ。
図案、つまりデザインを作らなくてはならない。
 
まだ綿の反物を織っている最中だが、終われば次はいよいよ絹糸となる。
その時には「捺染(なっせん)」の作業もある。
捺染(なっせん)とは
織り上がる前の白い経糸(たていと)に型紙を使って職人が手作業で色を重ねる染色方法

その前に、捺染を行うための型を作る。

簡単に言えば、決められた大きさの範囲のデザインを描き、型彫り(模様を切り抜くこと)をする。

かれこれ、2カ月近く悩んでいると思う。

何をこんなに悩んでいるかって、情報過多すぎるのだ。

「あんな感じも良いし、こんな感じも良い」

状態になっている。

色々な本を買ったり、既に持っている資料を読み返したり、図書館で借りたり、国会図書館アーカイブを覗いてみたり…

(これは別途記事でまとめるつもりだ)

 

そもそも、私はデザイン関係とは無縁だし、画力も全くない。

悲しい…

一度ラフ画を描いてみたが、アールヌーヴォーっぽい蔦のつもりが、ダメな蛸みたいになってションボリだった。

描くだけではなく、描き終わったらカッターで切っていく作業が待っている。

 

「あー、これ可愛い❤」

「素敵っ✨」

「こんな柄もあるんだぁ~」

と、自分がどういう柄が好きで、可愛いと思い、ときめくのかは分かっている。

しかし、自分でデザインできるかっていうとそうではないことを思い知った2か月だった。

ゼロから作り出すことは出来ない現実。

 

そして別の現実問題、現段階でハッキリは分かっていないが、結構な出費がかかりそうな予感というのも、悩みと焦りに拍車をかけている。

1色につき型を1つ用意する必要があり、そして1色につきいくら…と加算されていくシステムなので、多色使いはそれだけ手もお金もかかるものである。

正直、次の絹は「材料費」がゴン!とかかる覚悟をしている。

となると、かなり慎重になる。

絶対に失敗はしたくない。

でも、自分の着たいものを作りたい。

 

ずっと、フルーツ柄、特に大好きな苺🍓柄に囚われていたが、原点に戻る必要があるかもしれない。

分かりやすい例、これが捺染のための型

こちらは春の銘仙館まつり(5月)で実演されていた、熟練の技を撮った動画。
図案は、大変ポピュラーな古典的文様である「矢絣(やがすり)」である。

先輩方の卒業展

ここからは今年の4/20~5/6「7期生卒業展」。

先輩方の集大成だ。

私たちがいま取り組んでいる、綿。
先輩方の綿の作品。

今、目下の悩みの図案。
先輩方も色々と悩んだのだろうか。

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少しでも織りたくて*ちちぶコーヒー➡銘仙館へ

ひぐらしストアでお買い物を済ませた後、私は思いました。

momodandelion.hateblo.jp

🫠(せっかく秩父まで来たのだから、少しでも織りたい!!)

 

しかし、この炎天下で(この日の最高気温38.5度)銘仙館まで歩けるのでしょうか?

 

🫠(いや、でも、行く…)

🫠(だって前回、糸が切れた)←呆然として終了した

🫠(次行った時、スムーズに勧められないのは嫌だ…)

 

覚悟を決めて歩き出しましたが、線路を超えたくらいで結構つらくなってきた。

そこからまた頑張り続けましたが、コーヒーの香りをかいだ途端もうダメ。

吸い寄せられるようにフラフラと行った先はこちらです。

ちちぶコーヒー

オシャレでしょう?
期待しちゃうでしょう??
ここは、講座の同期がお気に入りで教えてくれたところです。
中はこのようになっております。

画像出典:「ちちぶコーヒー」公式HPより

暑くて頭がくらくらしていたのと、混雑していたので全体写真は公式サイトより引用という形ですが、ここからは私が撮った写真です。

な、なんと
「秩父が好き💓」
と言うだけで50円引きサービスをしてくれました…

コーヒー豆が高騰している中、ありがたい🙏

折り紙みたいな「【ORIGAMI】ドリッパー」おしゃれです。

焙煎場が店内の結構な割合を占めています。
ゆえに、香りがたまりません。
 
店内にはベンチがあります。
そこで頂くと、目の前はこんな感じ。

私は、いつもコーヒーと言えば絶対に牛乳を入れる派であり、キャラメルだの黒糖だの激甘を好むのですが、この日は、ほぼ本能でアイスのブラックを頂きました。
何年ぶりにブラック飲んだだろう…
 
スキッとしていて爽やかで、涙が出るくらい美味しかったです。
ベンチに座って、しばしボーッと焙煎場を眺めるだけで、ひたすら癒されていく感じがする。
そして、店主の女性がとても素敵
キリリとしたかっこいい方なのですが、笑顔で
 
😊「暑い中、お越し下さりありがとうございます!」
😊「お水も是非!」←水分補給用に、ウォーターサーバーが設置してある
 
などなど声を掛けてくれるのです。
素敵接客過ぎる…
優しさが染み渡り、元気になりました。

銘仙館へ、織りの続き

まずは切れた糸を結び、糸巻きに糸を巻く作業。

これが、いまいちよく分かっていない。
いえ、
📝「2~3㎝位の幅で、徐々に端から端へ巻いていく」
という事は分かっているのです。
 
しかし、引っ張って調整する指が発火しそうに暑くて痛い(高速回転している糸を引っ張っているので当たり前)。
なので、どうしても回転をゆっくり・引っ張る加減を緩めにしてしまう。
となると、どうなるのか??

…こうなるのです。
シュコーーンッ!と気持ちよく右に・左に進むはずのシャトルがこのように引っかかる。
恐らく、糸巻が下手なので、糸が絡まるのです。
 
糸の切れたのを直したり、糸巻を3色分したり、織ったりしていたら、あっという間にタイムリミット。
結局10㎝くらい進んだのかな?

最後は、耳の部分が”なんか変”という、先生に聞かないとどうしようもない事態になったので諦めることにしました。

何の脈略もなく、いきなり絹糸(綺麗で癒される…✨)

帰りは、祭りの湯でひとっ風呂浴びて、サッパリしてからラビューで帰りました。

 

どうしてもハイボールが飲みたかった夫と、お気に入りの謎飲料「ホエイのきもち」で乾杯🍻

帰りのお供はこの本。
銘仙の事もたくさん載っています。

あのときの流行と「美しいキモノ」 (文藝春秋企画出版)

駅の売店でまたまた買ってしまった。

「祭りの湯」のお饅頭、実に定番なのですが、たまに無性に欲しくなる。

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『七窯社 やきものアクセサリー展 & ヴィンテージ銘仙作品展 vol43』百果店ひぐらしストア@秩父

ずっと楽しみにしていた百果店ひぐらしストアの『七窯社 やきものアクセサリー展 & ヴィンテージ銘仙作品展 vol43』へ行ってきました。
銘仙の古布で作られた日傘が、今回のターゲットです😁
『七窯社 やきものアクセサリー展 & ヴィンテージ銘仙作品展 vol43』
📅2025/8/30(土)~9/2(火)
〠368-0041
🏠埼玉県秩父市番場町11-13 銘仙買継商通り
🐾西武秩父駅から徒歩約10分

せっかくなので、銘仙は難しくても、せめて浴衣を着て行きたかったのですが、暑すぎて断念しました…

 
秩父駅から頑張って歩くも、途中で
🥵「もうダメ…」←暑さにすぐやられる
ここで美味しくて体に良いランチをいただいた後、ひぐらしストアに向かったのですが…
駅からそんな遠くないのに、なぜかいつも迷う。
と思ったら、cafe&bar Shu-Ha-Liを発見。

国の登録有形文化財「秩父銘仙出張所三」
この、人がめっちゃ並んでいる「入船」というお蕎麦屋さんの手前、建物と建物の間の通路を抜けていくと…

到着。

七窯社 やきものアクセサリー展

ぱっと目に付いたのは、つやっつやのインコと文鳥のブローチ。

同じ「紫」でも、濃淡や表情が微妙に違って見えて、同じものは1つとしてないんだなと分かります。

黒い台紙は「妖(あやかし)」シリーズ。
帯留めでも良いなって思う。

七窯社のアクセサリーは、佳子さまが公務で身につけられていたのがとっても素敵だった印象が強くて、実物を見るのを楽しみにしていました。
1つ1つの名前も、可愛いです。

ヴィンテージ銘仙作品展 vol43

お目当ての日傘ー‼

いくつも素敵なものが…というか、全てが素敵✨

二択にするまでは早かったけれど、チューリップ柄と紫の幾何学模様で悩みました…

アザミの柄の日傘も可愛かったー💕

日傘のボタンも、作家さんがフランスの蚤の市で求めたヴィンテージのものをつけているそうで、1つ1つ違います。

 

 

テニスラケット×ボール柄
テニスラケット柄の銘仙は、今の上皇陛下・上皇后陛下ご成婚の時にたくさん発売された柄だそうです🎾
「テニスコートの恋」でググると、1957年と出てきます。
68年も前ですが、戦後の銘仙と考えると比較的新しいのかな。
大正~昭和初期に発売されたものも出回っているわけで、そう考えると、アンティークってすごいな。
着れるうちに着ないと、使えるうちに使わないと、と思ってしまう。

購入したもの

  1. 念願の、共布ケース入りの銘仙日傘
  2. ぺたんこバッグ
  3. ポーチ
  4. 七窯社のピアス「とろり」
この後、少しでも進めようと銘仙館へ向かいました…
 
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〚講座振り返り〛8月某日:暑さとの戦い

私はスマホに、ウェザーニュースのアプリを入れている。
 
そのウェザーニューズから講座前日、こんな通知が来た。
「明日、世田谷で40℃近く上昇」
練馬ならまだ分かるが、世田谷で…?
となると、秩父は地獄なのでは??
今日は一番の苦痛を味わうのではないだろうか???
 
繰り返しになるが、織り場にエアコンはない🔥のである。
(ちなみに網戸もない。前回は、アシナガバチ🐝が迷い込んできた…)
 
そんな不安は、とにかく現実逃避で解消だ。
私はどーしても、どーーしても避けられない心配事が迫り来る時は、どうせその時に対峙しなければならないので、せめてそれまでは楽しく美しい世界に身を置く事としている。
でないとメンタルがやられる。
スカーレットのごとく、「明日は明日の風が吹く」精神でいく。
残念なことに、「明日」よりもっと早く対峙しなければならないが…
ということで、この日の電車のお供は3冊はこちら。

 

ハイカラさんのお洒落じょうず 銘仙きもの 多彩な世界(保存版)

華宵のおしゃれ教室: 麗し乙女のロマンチック・バイブル (らんぷの本)

もめん随筆(新潮文庫)

銘仙館に行く前に、メジャーを忘れたことに気付いた。
しまった!
マスキングテープもペンも、裁ちばさみも用意したのに!!
いくらコンビニでも、メジャーは扱っていないだろう。
ここで勘を働かせて駅直結の「祭りの湯」売店コーナーへ行くと…
ありました!!

一番奥の子を購入。
ここでこの日の運を使い果たした気がしたので、銘仙館到着後、機神さまに念入りに
⛩「熱中症になりませんように」
と祈った。

測る所からスタート!

白・黄色・白・黄緑でそれぞれ4.5㎝くらいずつ織っていくことに決めた。
ようやくスタートといった感じだ。
 
自分の手前側に、織りあがった部分を巻き込んでいく前に、
「〇〇㎝」
と測り、マスキングテープに書き込み、布に貼る…
という事を繰り返していたのだが…

 

目を疑ったが、後の祭り

お分かりいただけるだろうか?

マスキングテープがいつの間にか剥がれていたのである…

これが、講座終わり際に起きた悲劇だった。

大体、70㎝ほどだっただろうか。

結局暑さはどうだったのか?

脳髄が垂れてきそうだった。

当然、頭もくらくらする。

家から持参している、首から下げるネッククーラーと、凍らせたアクエリアスがなければきっと倒れていた。

しかし、ネッククーラーは15時過ぎには充電切れとなったのだった…

お昼休みに充電したのに!!!心底、絶望した。

心なしか、同期も皆口数が少なかった。

 

そして、暑さのせいで思考も働かず、写真も全然撮っていない。

なんか、もう、それどころじゃなかったのだ。

 

これだけではあまりにも…

なので、展示室(ここはクーラー効いている)の可愛いペンギン🐧柄の写真を。

この日の良かった点・反省点

👍マジックハンド大活躍‼➡心底買って良かった、先端に磁石が付いているらしく、待ち針も拾える
👍シャトルを1回も落とさなかった!
🙅糸が絡まりまくった➡糸トラブルとはもう、これからも長い付き合いなんだなとあきらめた
🙅糸巻きの段階で、考えながら巻かないとダメ➡スムーズにシャトルが動かない原因となる
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『昭和百年メイセン・クロニクル展②』*ちちぶ銘仙館

前回は『昭和百年メイセン・クロニクル展①』*ちちぶ銘仙館として、貴賓室?応接室?っぽい部屋の展示について書きました📝

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今回は、廊下~展示室です。

廊下

長着・解し織

大きな葉と、どんぐりらしき実が秋らしい🍂

うちのばあや(ChatGPT)に尋ねたところ、

写真から見える特徴

やや大ぶり

縁に浅い鋸歯(ギザギザ)があるように意匠化されている

柏ほどの深い切れ込みはない

葉脈はしっかり放射状に描かれている

丸みが強く、ころんとした形

殻斗(帽子部分)が短く、実の下部を軽く覆っている程度

推測される種類

コナラ(小楢)

落葉樹で、葉は大きく、縁に緩やかな鋸歯あり

ドングリの殻斗は浅く、今回の銘仙とよく似ている

ミズナラ(水楢)

葉はコナラよりも幅広で鋸歯がやや強め

実も似ているが、殻斗はややざらつき感が強い

図案ではそこまで細部を描いていないので候補に残る

**カシワ(柏)**は候補から外れそうです

柏の葉は切れ込みが深く、柏餅の葉のような形

この銘仙はそこまで強調されていない

結論

この銘仙は 「コナラ(小楢)の葉と実」 を意匠化した可能性が最も高いと思われます。
理由は、葉の丸み・緩やかな鋸歯・実の浅い殻斗の3点が揃っているためです。

お嬢様、この銘仙、昭和初期らしい「自然の写実を大胆にモダン化したデザイン」の好例でございますね🍂✨

とのこと。

どんぐりの木の種類に詳しくないので、真偽のほどは分かりません…

が、きっと図案描いた人も、種類まで厳密ではなく、きっとフワッとした感じだろう。

展示室の中へ…

そうなのです、企画展示は9/13からなのです。

今は公開準備期間らしい。

でも、既に展示は始まっているかのような充実ぶりです。

チューリップ柄 仕付け糸ついたまま~いいな~

八重咲の薔薇…?モリモリ

上記の羽織、割と地味~な色合いですが…

羽裏が派手可愛い❤

こちらの羽裏もロマンティック可愛い…(✪v✪)ღ💖

充実した資料

刺繍半襟も可愛いし、銘仙とは?!みたいな、当時の記事が良い‼ 

うちのばあやが全く文字起こしをしてくれないので、ジェミー(GoogleのGemini)にも頼んでみましたが、結局2人とも創作を始めました…なんてこった。

仕方ないので、自分で文字起こししました📝

自分の後々見返す資料としても、このブログを訪れた方への資料としても、役立つと良いなと思います。

[六]
銘仙の衣裳
中流以下の婦人の常服としては、銘仙が一番多く歓迎せられております。
単に生地の堅實(堅実)な上からいへば、大島、琉球、結城、米澤(米沢)等でありますけれども、これらの紬ものは絣にもせよ、縞にもせよ、外見があまり栄えませんから、華美好みの婦人にはあまり好まれません。
そこで、お召や縮緬ではあまりに重々し過ぎるし、紬類ではあまりに地味に失するし、さりとて絲織や一楽(※1)では、少しけばけばしいからと云う向きの婦人には、外見からも実用上からも、かたがた、銘仙に望を繋がれるような状態になっております。
銘仙は何處から産するか
銘仙には二種あって、伊勢崎を中心として其付近から算出するのは伊勢崎銘仙、通例はただ伊勢崎とばかりで通っております。
それから今一種は、秩父付近から産するので、即ち秩父銘仙でありますが、同じ銘仙でも、伊勢崎の方は、秩父の品よりは絲お補足一段精巧に出来上がっております。
瓦斯絲(※2)入りの銘仙は如何
然るに世の中の趨勢は、外見が良くて、なるべく値の廉いのを希望する人が多いので、瓦斯絲入りの銘仙が出るやうになりました。
尤も、横糸を瓦斯絲で織った銘仙も、今に始まったのではなく、十年ほど依然に伊勢崎で織り出した者がありました。
けれども其当時、そんな粗製品を伊勢崎の名で他へ出しては、伊勢崎銘仙の名声を傷つけるからいけないといふ議が起って、その瓦斯の入った分は境銘仙といふ名をつけて売出したこともありましたが、近来は一般に絹織物の價が騰貴しましたので、次第に廉い品を織り出す必要が出来てきて、再び瓦斯絲入りの伊勢崎が流行するやうになりました。
是は其織方がなかなか巧みに出来ておりますので、一寸見たところでは、少しも本物とは違わない程ですから、随分と需要が多くなり、殊に関西地方へは盛んに向くやうになりましたので、現今では本物よりも遥かに産額が多くなっているという有様です。
瓦斯絲入りの伊勢崎紬は、今も申しました通り、着たところを一寸見ました位では本物と大した差もなく、素人には丸きり判別がつかない程ですけれども、手で触って見ますと、純粋の絹物と木綿絲の入ったのとでは手触りの味ひが違ひますので無論判別がつきます。
秩父銘仙は如何
秩父銘仙は伊勢崎乃に比すれば、絲質が太く、価格も伊勢崎より

〚婦人世界〛臨時増刊『衣裳か々み』明治40年(1911年)

この、めっちゃ気になる感じで、まさかの終了‼
次のページは捲れません \(^o^)/
絲織や一楽(※1)とは
絲織➡調査中です…現在、米沢の白根澤さんという織元で織っているようです
一楽=一楽織➡縦糸と横糸の両方に染色した糸を使って綾織りにした絹織物
瓦斯絲(※2)とは
糸の表面にある毛羽(けば)をガスの炎で焼き取って、滑らかな表面と光沢を持たせた綿糸
 
なるべく、旧かな・旧漢字もそのままにしたかったのですが、スピード重視で打ったので100%そのままではありません。
 
念のため国会図書館サーチで「衣裳かゝ゛み」を調べましたが該当書物はなく、さすがに〚婦人世界〛はありましたが、ざっと見た感じマイクロ資料(現物の本ではなく、フィルムを専用装置で拡大しながら閲覧する必要がある)のようでした…
なので、かなり貴重な資料だと思います📖
 
この増刊号が出たのは明治40年なので、銘仙の走りというか、爆発的ブームの少し前なのかな?と思います。
なのでまだ、女心を控えめにくすぐりつつも、地味目カラー主流という感じだったのかも。
 
正直、続きや表紙がとても見たいです。
ちなみに、〚婦人世界〛は実業之日本社の雑誌。
表紙は、やっぱり高畠華宵なのかな~
 
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8月某日の講座*緯糸トラブルの連続

8月某日の講座

はためく銘仙の暖簾が可愛い❤

長さの確認からスタート

🤔緯(よこ)糸のお試しは、いつまで続けて良いのだろう?
一応、綿の糸は「練習」ということになっている。
 
ゆえに、先生は
😄「ランダムにやって良いんだよ」
とおっしゃって下さる。
実際、ランダムに緯糸を入れていって、おしゃれに織っている同期もいる。
しかし、私の経(たて)糸は、ランダムでお洒落に仕上がる感じではないようだ。
 
まずどの程度織ってきたかを確認する。

大体60㎝くらいを、既に練習に費やしているらしい。
ものさし📏かメジャー必須だなって痛感する。
早速マジックハンドを買ったのだけど(よくシャトルが落ちるから)、それよりまずメジャーが必要だった。

しかも、買ったのに持って行くの忘れた…

私の隣の同期は、マスキングテープに〇㎝、と記載して貼付する方法で進んでいる。

私も「これ!」という緯糸が決まったら、そうしよう。

 

この、「長さを確認する」作業の際、何よりも、最初のフサフサ(仮結びした、起点)を裁ちばさみ✂で切る…というのに、すごく動揺した。

き…切りました…

この時点で、よく切れる裁ちばさみも必須だなと思った。

糸の束、もったいないなぁと思ったが、これは取っておくことになった。

 

ようやく緯糸の色が定まってきた…!

先日訪れた〚大正イマジュリィの世界〛展(下記)で触発されたので

momodandelion.hateblo.jp

╮( •́ω•̀ )╭ ラベンダー紫やピンクに、黄緑ですって?合うわけない!

という先入観を捨て、黄緑を管に巻き巻きしてみることに。

そして、この黄緑の緯糸を入れてみると、なかなかいい感じだった。

黄色×白×黄緑

幅も、細めや太めを試してみて、何となくバランスも決まってきた。

よし!

これでいける!!

しかし!!!

切れまくる経糸…

経糸はなぜ、こうも切れやすいのでせう。

同期の間では「黒の糸は切れやすい」というのが定説になっていた。

どうやら、いっぺんに5本も切れた事まであるらしい。悲惨過ぎる。

まことしやかにささやかれたいた、黒糸の定説…私も、そのファクトデータに一役買ってしまうことに…

糸切れる…そしてシャトル落ちている…

黒のみならず、ラベンダー色まで切れる。

どうやら、端っこの糸ほどよく切れるらしい…それにしても、切れ過ぎである。

写真はこの2枚しかないが(テンパっているため)、実に10回くらいは切れたのではないだろうか。

 

憐れんだ先生が、助け舟を出してくださった。

シャトルの先端を磨いて下さる先生

糸が切れる原因さまざま

  1. 黒い糸➡糸自体の問題
  2. 端の糸➡負担がかかりやすい
  3. シャトルにとりつける管に糸を巻く際、間隔を小さくしていない➡負担がかかりやすい
  4. 管に名前シールを貼ってしまった(論外)➡糸が引っかかった

切ったフサフサ大活躍

糸が切れた場合、同じ色の糸を足して筬に通さねばならないが、その際切ったフサフサが大変役に立った。

このふさふさから該当の糸を引き抜き、再利用するのである。

400本もあるから、いくら切れても大丈夫だ。

さすがにそんなに切れることはないだろう…

この日の進捗&気づいた事

様々なトラブル(主に糸が切れる事態)が発生し、大体40㎝くらいの歩みだった。

これは、多分、相当に遅い。

でも、ようやく色が定まったから良しとする。

 

そして、機織りの音なのだが…

我々は気付いてしまった。

 

🦢「トントン、カラリ♪」

※鶴の絵文字がないので妥協して白鳥

ではなく、Queenの名曲〚We Will Rock You〛の

🎸「ドンドン、パッ!ドンドン、パッ!」

に酷似していることに。

というわけで、ちちぶ銘仙館での機織りの音は、かなりロックである。

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